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あい あむ ちきんはーと

素敵な文章をみつけた。
が。
チキンな九条さんは、コメント出来ずに戻ってきましたとさ。
や。まだ、ブログ始めたばかりみたいだし……うん。ね。ほら。初コメント俺かよ。みたいなね……^^
…………………………………………勇気いるだろ!!おいちゃんには無理だったの!!(黙)
いいんだ。マメに訪れて小説の続き読んで、ひとりでほくそ笑むから。



…………文章能力分けてくれよ。



よびごえ<下>



(まって。ひめさま)
助けて。お願い。


重なる。二つの声。
「え?」
己を抱き締める、少女の姿をシニガミは見た。

(まってて。ひめさま。
もうすぐうまれてくるよ。
ひめさまに、であうために、うまれてくるよ。わたしはげぼく。ひめさまのもの)

半透明の少女は、シニガミを抱締めたままにっこりと笑い。幻のように消え去った。
シニガミは振返り、娘を見た。

助けて。お願い、この子を。
(うまれてくるよ。まっててひめさま)

重なる、二つの声。
シニガミは気付いた。己を眠りから呼び覚ましたのは、二つの声であったことに。
シニガミは娘の側に寄った。
助けて。と、繰り返す娘に、シニガミは言う。


「その腹の子は、悍ましい異形の姿になるでしょう。
世界のために存在し、死を持って平定を行うシニガミの使い魔。
永き時を存在(いき)、消滅は遥かに遠く、時は彼方に過ぎ去り、そして愛を理解出来ず、苦しむだけの生涯をおくるでしょう。
それでも良いならば、ワタシはその子を助けましょう。あなたの命と引き換えに」
「私は…………この子を心から愛しました。この子の命は、愛によってもたらされました。そんなこの子がどうして、愛を知らぬまま生きて行けるでしょう。
例えシニガミの使い魔となっても、この子は愛することに悩み、迷い、喜びを知り、精一杯生きてゆくのです。私は信じます」

それが、娘の最期の言葉。
潰れたその腹に、シニガミは手を当てた。
指が肉に食込んで、娘の腹から真っ白な輝きを放つ魂を掴み出した。
炎は空を焦がし、村を飲み込み、娘の亡骸を燃やし付くし、広がって逝く。
真赤な炎の中で、真っ黒な髪のシニガミが、真っ白な魂に口付けた。
「ワタシの魂のヒトカケラをあげましょう。仮の姿は美しい鳥が良い」
シニガミの手の中で、魂がぐにゃりと歪む。
「嘴や爪は鋭く、翼は大きく……そう、翼の色は白が良い。真っ白な、美しい鳥」

鳥。
お前は鳥。
ワタシの鳥。



死に逝く魂に、ニセモノの命を与えましょう。



「おはよう。ワタシの可愛い鳥」


「おはよう。私の主。私の愛しい死の姫さま」



バサリと音をたてて、巨大な鳥が空を舞った。
背中には美しいシニガミの姿。
真っ白な鳥は、赤く染まった空を飛び越え、遥か彼方へと羽ばたいていった。





―――――――――――――――――

よびごえ・終

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よびごえ<上>

それは、産まれいでる前の、小さな悲鳴。
そして、死にゆく女の、最期の祈り。
だれか。だれか。だれか。
お願い、だれか。
悲痛なその声は、彼女を眠りから解き放つ。
「お前はまだ眠っていなさい、クロ」
起きあがろうとする獣の額に掌をのせて、彼女は柔らかな声音でそういった。
『姫よ。どこへゆくのだ』
姫がゆく場所が、我のゆく場所だ。
獣の言葉に、女は笑み、待っておいでと言った。
「ワタシを呼ぶ声が聞こえる。世界の声ではないけれど、ワタシを眠りから解き放つ力があるのならば、ワタシはそれに応えましょう」
応えよう。お前の声に。
叶えよう。対価と引き換えに。
ワタシはシニガミ。
死神姫。

ワタシは死を与えるモノ。




シニガミが呼ばれた場所は、燃え上がる小さな村だった。
空を焦がす炎。
イキモノが焼けるにおい。
倒れた家屋。
焼け折れた木の、下敷きになった娘。
火に包まれた大地を、美しいシニガミはゆっくりと進んだ。
死へと向かう娘の側へと歩み寄り、赤い瞳で見下ろした。
「ワタシを呼んだのは、あなたですか」
虫の息である娘に、シニガミは問い掛けた。
娘は虚ろな目でシニガミを見上げ、か細い声で懇願する。

助けて。お願い。死なせないで。

「あたなの願いは?」
シニガミは問う。

お願い。助けて。

焼け焦げた腕を、娘は伸ばした。
シニガミは笑みを浮かべる。

この子を助けて。

「対価は?その腹の子を助けるかわりに、あなたは何を差し出しますか。何が差し出せますか」

なんでも。

娘の言葉を聞いて、シニガミは首を振った。
「あなたが差し出せるモノなど、何一つありません。腹の子の命を奪って、自らの命を長らえるというならば、その眼か声と引き換えに叶えましょう」

いいえ、いいえ、どうかこの子をお救いください。

娘は願った。
腹の子の命を助けるために、願った。
神に、精霊に、悪魔に。
だれか。だれか。だれか。
だれでもいい。この子を、私の子を助けてっ!
悲痛な叫び。
その声に応えたのは、シニガミだった。
だけど、死に向かう娘が差し出せるモノなど、何一つだってありはしなかった。
「まもなく死を迎えるあなたの魂では、その腹の子を助ける対価とは釣り合わない。仮にあなたの命をその子に与えたとしても、私に出来ることはそこまで」
やがて火に呑まれ、母を犠牲にして生まれ落ちた子も死ぬだろう。
それならばいっそ。
「二人でお逝きなさい。死者が逝く世界に」
シニガミは彼女たちに背を向けて、歩き出した。
また、眠りにつこう。世界が呼ぶ日まで。





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next⇒よびごえ<下>

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気絶します。オヤスミなさい。

疲れが全く取れてないね、九条さん。

今日も不思議な電話が何件かありまして、くたびれてるよ、九条さん。

瞼半分、閉じちゃってるね九条さん。

布団かぶって、携帯いじるよ、九条さん。




ぼんぢゅーるの。変態でお馴染みの、気絶寸前な九条でっす´ω`

皆さんはこんな格言を知っていますか?


『ダメだダメだダメだダメだ。僕もうホント限界』


そぅ。なれない仕事に掃除に不可解な電話にetc。
人生は山あり谷あり挫折あり!
体調悪くても逃げ出せない、誰かがそっとつぶやく最後の言葉。
『おいちゃん死ぬるよ。うへへへへ』
くぅー。人生はきびしぃーのです。
挫折味わい心の中に雲がある。そんな貴方に、DJ九条が素敵な魔法を教えちゃいます。


『うろやかばんもいなえふかんなうょりうゅき』


『れおかのるでもびうよどちうのそ』

『るれかつじま。るれかつ』

『よだんいなゃじんいむじくぼ』

『ねててっまらかくい!よくい、やい。よいたきいうこょりかさおお』

『すでみしのたのついいゆがれそ』


はい。はぁーい。みんな、ちゃんと呪文は唱えられましたか?



呪文の意味を理解して唱えると、悲痛な叫び声が聞える、はず!



さぁ、みんなも一緒に。DJ九条とさけびましょう!!


『うろやかばなよなんけざふ』





元ネタ。ピコまりさん。

楽園Z-捌-

小さなビス以外、そこには誰もいなかった。ひとりぼっちの魂が、孤独な歌を歌っていた。
夢の中で、両手が赤く染まっていたことを思い出し、バルサは掌に視線を落とした。
触れたモノを呪う、悍ましい手。いや、触れなくても……近くにいるだけで、害を与えているのかもしれない。
青白い顔の友人。
傍らで眠るアドビスを、じっと見た。
唯一、愛しいと思える存在。
バルサがペルにとどまる理由。いや、生きる理由そのものだと言って良い。
母親を失って、ひとりぼっちになったあの日から、バルサが愛する者はアドビスだけになった。
ビスだけが、泣いてくれる。
ビスだけが、笑いかけてくれる。
星が美しいとか、風が優しいとか、太陽の光が眩しいとか、雲の形が面白いとか、水の流れる音が綺麗だとか。そのすべてを教えてくれたのはビスだ。ビスが隣りにいるからこそ、世界は意味を持ったのだ。
それに気付いたのはいつだったか。……分からない。
気付いた時には、アドビスはバルサの全てだった。
『太陽が無いのなら、それはこことは違う、別の世界だよ。恐らく、魂が逝く世界のどこかだ』
いつかきたる未来のどこか。
『小さき魔女。あまり気にする必要はないよ。お前の力は強いが、とても不安定だ』
その夢が必ず現実になるとは限らぬよ。
木の精はそう言って笑い、水路へ視線を向けた。
水の流れが変って、渦が出来た。それは盛り上がり、人のカタチをとった。
木の上から、木の精が笑いかけた。
『やぁ、水殿。御足労、感謝するよ』
『お気になさらないで。古き癒しの木の方。わたくしのオルフェのためならば、何処へなりとも参りましょう』
水の精はそういって。
掌を目の高さまであげた。
いくつかの小さな水の玉が生まれ、それはアドビスとバルサに向かってゆっくりと飛んだ。
眠っているアドビスの額に水の玉が落ちて、吸い込まれた。
『お眠り、小さき魔女。水殿の力がお前たちを癒してくれるだろう。眠っている間は、私の枝がお前たちを守る』
安心してお休み。と木の精が言った。
水の精の冷たい手が、バルサの手に触れた。
『そなたの毒はわたくしが流しましょう。けれど、そなたの心が変わらぬ限り、毒は生み出され続けるでしょう。わたくしに出来ることは、一時の安らぎを与えることだけ』
水の精の言葉に、バルサは苦しそうに顔を歪め、目を閉じた。
『お眠り、愛しい魂たち』
タチタの木の声が、彼らを眠りに誘(いざな)い、水が毒を清め、柔らかな風が身体を包んだ。

おやすみ、愛し子。
おやすみ、小さな魔女。
安らぎの一時を与えよう。


『気休めに過ぎナいゾ!魔女の心が変らぬ限り、愛し子の身は危険に晒される』
『騒々しいね、風殿。寝た子を起こすような真似は止めておくに限るよ』
『ですが、風の言うとおりです。癒しの木の方』
『ヒトの心は、移ろいやすく不安定なものだよ。けれどね、たとえどれほどの時が過ぎようとも、変らぬ思いもあるのだよ。小さき魔女が愛し子を愛し続けるように。愛し子以外のすべてを憎み続けるようにね。小さき魔女の中から溢れ出る毒は、他人(ひと)に対する怒りと憎しみだ。魔女である母と己を虐げつづけたニンゲンという種を、彼は呪っているのさ。
悲しいことにその呪いは、彼が唯一愛する者の身をゆっくりと蝕んでいるのだけれどね』
木の精はアドビスとバルサをみた。
『一度流れ始めた毒は、止まらぬ』
だけど、愛し子は小さき魔女の側を離れぬさ。
変わり続けるモノがあるように。変わらないモノもある。いつか来る滅びが、彼らを砂のひとカケラにかえすまで、彼らは変わらないだろう。


『一時でも長く、安らぎの時が彼らを包むように』

私は、そう願うよ。
木の精はそう言って笑った。



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楽園Z・終
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