憎んで、憎んで…それでも憧れた。
私もそうありたいと。
私もその場所に居たいと。
望んでも、叶わなかったけれど…
憎んでも、憎みきれなかった。
それよりも憧れや好意が大きかった。
私とは正反対の姉さんが大好きで、羨ましかった。
"姉さんよりも"と褒められたことは
何よりも誇らしく思えた
私は姉さんに劣ってなんかいないんだって、思えた。言い聞かせる理由が出来た。
所詮、私は私でしかないのだから
あの穏やかで優しい姉さんみたいにはなれないことは、とっくの昔にわかっていた。
今も、憧れも嫉妬も…消えてはくれないけれど
私は私でしかない。
他の誰にもなれない。なれっこない。
偽りでなら、そう装うことも出来るかもしれないけれど…
でももう、それもしない。
母親は、そんな私を嫌うだろうか。
自分が描く、娘を外れて思うがままに振る舞う私を、恥じるだろうか。
「こんな子じゃなかった」と落胆するだろうか、幻滅するだろうか…。
でも、もう…疲れた。
自分じゃない自分を装うというものも結構、疲れる。
落胆されても、幻滅されても…もういいや。
私は私を取り戻していきたい。
ずっと押さえつけてきた自分を。