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見下ろした世界







人はどうして、今よりも高い所へのぼりたがる…?



何も、見えやしないというのにね…



何故、人の上に立ちたがる…?



その重み全てが、自身にのしかかるというのに…





見下ろした世界は
ちっぽけだった。


望んだ世界は
歪んで汚れていた。



なんて、愚かなものか


あんな世界にいることが
幸せに繋がると、何故信じて疑わなかった?

切り取られた、世界





とある、小さな島。



信号機は申し訳程度にあり
コンビニはない


なにも、ない島。



けれど、時間はゆっくりと流れ
人々は擦れてなんかなくて、優しい。



ちらほらと、農道を歩く人。


ゆるゆると優しく頬を撫でる生温かい風。




あたしが住む、場所から船で二時間。


たったそれだけ離れただけで
街は世界は、こんなに色が違う。

嫌な言葉も、うるさいくらいの喧騒も、昼間かと思うくらいの闇夜を煌々と照らすネオンも、車の音も…ない。



なにもない、その場所が好きだった。


祖父の暮らす、あの小さな島が
あの小さな温かい世界が




止まっているのではと心配になる程に緩やかに流れる時間が心地良い…


釣りに海水浴にカブトムシ採り。


なにもすることがなくて、幼いいとこと駆け回る野山や海。




駆けるように流れる時間は、あの場所にはない。


まるで、時代から
世間から、なにもかもから切り取られたような世界が大好きだった。


忙しくて、滅多に行けなかったが
あの場所にいれば、なにもかも忘れられる気がした。

ささくれた、心が治癒されていくようにすら感じられた。



祖母は、遠い世界に旅立ってしまった。


そうやって、少しづつ…あの場所が私から離れていってしまうのだろうか


祖父も、旅立ってしまったら…あの世界は、私から永遠に失われてしまうのだろうか…



時間などないように感じられても、時間は経っているのか、と
遠い世界に旅立ってしまった祖母を見つめ、涙を流しながらもそう思った。




永遠、などありはしないのに


私はあの小さな島に、幻想を抱いた。
どんなに世の中が荒らされても、荒れ果てても、汚れても…


あの小さな島だけは、荒らされる事なく、荒れ果てる事なく、汚れる事なく…永遠に変わることはないのだと。



私を癒した、あの場所がいつかなくなってしまう、失ってしまう、そう思う度に"時間"というものを恨めしく思う。


だけど私の住むべき場所ヘ戻ると、速く速く速く速く、もっと速く流れてしまえとも思う。



もっと速く流れて、私の全てを朽ちさせろ、とも思う。


愛も恋も、永遠などないのだ。

確実な、ものが欲しいのに
永遠の愛も永遠の恋もないのだ…


いつか、皆、私の元を背を向けて去ってしまう…それが怖くて恐くて怖くて恐くて仕方ない。

なりたかったもの





どんな人間に、あたしはなりたかったのだろうか




聖人のように優しい人?

姉よりも美しい人?

誰よりも強い人?



もう…わからなくなってきた。



あたしはどうありたかった?
あたしはどうなりたかった?


何を目指して、何を求めていた?





ただ、純粋に。


あたしは愛されたかった。



誰でもない、母に愛されたかった


母に愛される人でありたかった。




手を、あの手を差し延べて欲しかった…



姉に向けられるその笑顔を、あたしにも向けて貰いたかった。



なのに、思い出すのは
あたしを責め立てる、母の顔だけ。


思い出すのは
怒鳴り合う、両親の声。
罵り合う、言葉。





ねぇ、気付いて。

あたし、ここに居るのって何度も思った。


神様、お願いだからお母さん達を仲良しに戻してって、泣きながら神様にお願いもした。





何一つ、叶えてはもらえなかった



神様なんか、いやしない。



もう、誰も助けてはくれない。



そう、絶望したのは…諦めたのは
いつだったか…。


もしも、今のあたしが神様にお願いしたあの時のあたしに会いに行けるなら…



そっと抱きしめてあげたい。


何も悪くない、誰も悪くないと
言ってあげたい。



…なにもかも、信じれなくなる前に。

私の戦場




今日は、初出勤でした。


ちょっと苦手かなぁ…なんて思う人もいたけれど
なんらおかしくないこと。




だって、この世の全ての人間を
愛せる人なんていないもの。


神出鬼没のあの人が迎えに来て

車に乗り込み、紫煙を吐き出す私に笑いながら言った。


「新しい戦場はどうだった?」と。



戦場…確かにそうだ。


どの学校生活も楽しかった。
特に中学は。

だけど、出る杭は打たれる。


敵だって、僅かながらも居た。



学生であっても、学校は戦場だったし

社会人になって、働いても
職場もまた、戦場。


人は皆、毎日戦っているのだ。



楽しくて、笑っているその時も。

いつか襲い来る、不幸に、哀しみに、絶望に怯えながらも日々戦っているのだ。



私が私である限り…
私が私を捨てられない限り。

いつか向き合うその壁に
立ち向かう為に、私は勝ち続けたい。



そうやって、強くなって
大きな壁を壊そう。


ずっと、隠し通されたそれを
私が壊す。


今のままでいられなくなるとしても
私はもう、逃げたくない

嫉妬。劣等感。





今の私を作ったのは

きっと、嫉妬と劣等感。


越えたい。

越えられない。


私だって。

私なんか。



私の中に渦巻くどす黒い、

嫉妬と劣等感



欲しかった、ただそれだけだった。


私には与えられなかった

優しい言葉を

あの人は当たり前のように

与えられる


私には与えられなかった

温もりを

あの人は当たり前のように

与えられる



どうして?どうして?

何が違うというのだ。

些細な差はあったとしても

それ程、大差ないだろう?

私にだって少しくらい

与えられたっていいじゃない


なのに、あの人にだけ。


あの人だけが、愛される…



何がいけなかった?

あの時の私は

ちゃんと彼らの望む

"いい子"だったじゃない



欲しかっただけだった

ほんの少しの愛情が。
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