ずーっと昔に付き合った元カノから、最近不意に連絡が来て。
彼女自身が求めている道に向かって突き進んでいる事、その実行力に素直に感動した。
夢に向かって真っ直ぐ突き進むって、一言で言ってしまえば「すごいこと」だと思う。まず夢すら持ち得ない人間だって居るわけですし。
その上、それを叶える為の努力を惜しまなかった。
失うものも、諦めたものも幾つもあったに違いない。わたしが想像も出来ない様な苦しみもあったかも知れない。
勿論喜びや楽しさもあっただろうけど。
それら全てが、いまの彼女を創り上げているのだろうな。
久々に会えるみたいだから、すごく楽しみだ。
彼女はいったい、どんな人になっているのだろう?
ひたむきに努力を重ねて歩んできた彼女に、わたしはどんな自分を見せられるだろう。
ただ生き長らえ年を重ねてきただけの、愚かな大人に成り果てた自分。
そんなものを見せるのが、少しばかり恥ずかしい。
……いまのわたしを構成するもの。
無駄に拘りのあるお茶とコーヒー。少しばかりかじっただけの付け焼き刃の芸術と哲学の知識。自尊心を満たす為の香水とお洋服。虚栄心を満たす為の口先三寸。読みたい気持ちばかりが先走ってちっとも進まない本の山。焦り。後悔。革新を求めながらも懐古を大切にしてしまう甘さ。目の前の事で手一杯で先の事まで見据えられない愚かさ。
…どう足掻いても自信なんか持てない。努力が足りないんだもの。
自分を愛しきれないから、いつまでも他人に愛を注ぎきれない。
こんなだから。大好きなあの人の事、本当に好きなのか自己愛を投影した鏡として必要としてるのかはっきりわかりやしない。
もっと自分を満たさなくちゃ。
この好意が、独占欲が、ただの錯覚だなんて思いたくない。
《追記》
努力が足りないとかいう以前に、根本的に「目標とするもの」がないというか、揺るぎない自分という根幹が出来上がってないというか…
好きな人が出来ると途端に揺さぶられてしまう。
全てを相手の好みに塗り替えてしまいたくなるから、自分をないがしろにしてしまう。
そんなんじゃ無意味に決まってる。