こんばんは、亜紋です。
くだらないネタを思いついたので投下します。
〜もしも風シリーズにBASARAキャラが出てきたら〜
「ぅうおおおぉおっ!!」
どたばたと音を立てながら雄叫びが聞こえてきた。いや、どたばたなんて可愛い音じゃない。近距離でヘリコプターの音聞いてる、そんな感じ。雄叫びはもう騒音って言うか公害レベル。スクアーロと一緒にザンザスに葬られればいいのに。
「沢田殿ぉおおっ!!」
私を呼ぶ大きな声と一緒に教室の扉が開いた。開いたっていうか扉が倒れた。蹴破ったみたいだ。て、いうか、きた。またきた。
『真田くん、うるさい』
「真田くん!?そんな他人みたいな呼び方はやめてくれと申したではありませぬか!!」
『うん、他人だからね。真っ赤っ赤な他人だからね』
「沢田殿、そんなに照れなくても、」
『ちょっと誰か猿飛くん呼んできてー』
真田幸村くん。彼の、名前。隣のクラスの黙ってればイケメンの残念な子。何故か彼に気に入られたのは風さんと出会って少ししてから。なんで彼のお気に召したのかはわからないけれど、真田くんは毎日暇さえあればこうやって私に会いにくる。
「うむ、沢田殿。そろそろ某と付き合う気になってきたのではござらぬか?」
『いいえ全く。それに私、彼氏がいるって言ってるでしょ?』
「某に良い考えがあります」
『…なに?』
「その彼氏と別れれば良いのでござる」
『決別の一撃!!』
「ぶっ!!」
殴った。とりあえず殴っておいた。真田くんは丈夫だからちょっと殴ったくらいじゃ怪我しない。
「沢田殿…今日も愛のこもった拳でござ、」
『愛はないけど怒りは湧き出てきてるよ』
「沢田ど、…ちょ、踏まないで、」
倒れた真田くんの顔を容赦なく踏みつけてあげた。そしたら真田くんの視線がある一点に集中する。不思議に思って踏みつけるのを止めると、真田くんは笑った。凄い嬉しそうに笑った。にこー、って、そんな効果音が似合うかも。
「今日は赤でござるか」
『…』
「その赤い下着は某の為に着けていると、」
『ううん。ダーリンが赤が好きだから』
「そのだーりんは某でござるな!!」
私、今なら憤怒の炎が出せる気がする。これでも大空属性なんだから。それに、ザンザスに出来て私に出来ないはずがないじゃない。
「時に沢田殿。今夜沢田殿の部屋に忍び込む予定故に窓の鍵を開けておいて欲しいのでござるが、」
『真田くん、なんで捕まらないの?』
「某は既に沢田殿に捕まっております。心が、でありますが」
誰がうまいことを言えって言ったよ。あーもう本当帰ってくれないかな。早く帰りたいのよ私は。
「はい旦那そこまで」
溜め息を一つ吐いたらようやく猿飛くんが真田くんの回収にきた。
『保護者来るの遅いよ。なに?江戸でも破壊してたの?獣の呻きは止んだか高杉…じゃなかった猿飛くん』
「待って、沢田さんなんの話してんの?江戸ってなに?獣ってなに?しかも今絶対名前間違えたよね?高杉ってだれ?」
『わかった。わかったから早く回収してくれないかなそこの燃やせるゴミ』
「酷っ!さすがに旦那も傷つくよそれ!」
『知らない。愛なんて知らない。愛し方わからない』
「む、では某が愛というものを教えてあげましょうぞ!」
『あ、ごめん。間に合ってます』
「いい加減にしないと嫌われるよ旦那。それに沢田さんには彼氏がいるでしょ?ほら、校門の前で待ってるじゃん」
猿飛くんはそう言いながら窓から校門を指差す。その先には愛しい愛しい風さんの姿。私はそれを見て教室を飛び出した。
「さ、沢田殿!!帰るなら某もっ、」
「はいはい、邪魔しないの」
「佐助ぇえっ!!貴様…離せ!離すのだ!!沢田殿がぁあっ!!」
「はいはい」
教室に残された真田くんと猿飛くんがそんなやり取りをしているとも知らずに、私は校門の前で待つ大好きな彼に飛び付いた。
「あーあーあー、幸せそうな顔しちゃって…って、旦那息してる?」
「沢田殿は何故某を好いてはくださらないのだ…」
「あー…なんかね、」
運命の人に出会っちゃったんだってさ
「運命の人?」
「そ。そう言ってたよ
………
あ、ちゅーした」
「…っ!!」
「旦那息してる?」
―翌日―
「沢田殿!今日こそは某の熱き想いに応えてもらうでござ『湯呑みマッスルアタック!!』ぶっ!!」
「ちょっと待てやぁあっ!!湯呑みなんて何処から出した!?」
『え?そこにあったから。伊達政宗って書いてあったからいいのかと思って』
「よくねぇっ!!全然よくねぇよ!!」
『政宗、男が小さいことでぐだぐだ言うのカッコ悪いマヨ』
「マヨ?…Honey、熱でもあんのか?」
「某はいつでも沢田殿に熱を上げているでござる!」
『政宗、もう一個湯呑み持ってない?』
「それが沢田殿の愛ならば…この幸村、幾らでも受け止めてみせましょうぞ!」
『もうやだ真田くん気持ち悪い…』
めげない幸村。