ギャグちっくなので苦手な方は見ないでね!!
譲紗好きさんは注意!!
とくに譲治好きさんは注意!!!!
後半、セリフのみ(笑)
「ベアトリーチェ様!」
紗音は薔薇庭園で見かけた後姿に駆け寄って声をかける。
ベアトは振り返って、紗音にふっと笑いかけた。
それはとても高潔で、けれども不愉快な笑みではない。
「どうかしたか、紗音。」
いつもの威厳ある声で紗音に言葉を返すと、
紗音はおどおどとして、言葉を探しているようだ。
頬が染まっていたために、ベアトは(また恋の話か)と心の奥で呟く。
「あ、あの…、ずっと言いたかったんですけど…。」
「申してみよ。」
「わっ…私が好きな人って、譲治さまじゃないんです!」
紗音が発した言葉はベアトにちゃんと届いていた。
届いていたからこそ耳を疑わざるをえない。
今なんて?
「えっと、私が初めてベアトリーチェ様にお会いした時に…」
『そなたの想い人は近い内に見合いに臨むそうだな。』
「と、申されましたよね?…私、譲治さまだなんて、言ってない、です。」
そう言われて、ベアトも思考を巡らせて思い出してみる。
確かに紗音自ら、ベアトに『想い人は譲治』と言ってはいない。
つまりどういう事か。
「……そうなると、妾は勘違いをしていた事になるのか?」
「伝えるのが遅くなって申し訳ありませんっ…。」
「だが、紗音。そなた、譲治と円満ではないか?」
「いえ、その…。譲治さまは素敵な方だと思いますが、好きではないですし…。」
「では、沖縄に泊まりで行ったのは何故だ?」
「………め、命令だと言われて…。」
「は?」
「わ、私は家具ですから、…命令では従わなくてはいけません…。」
「いや、そういう事ではなくてだな…。」
「もう、はっきり言っていいでしょうか…?」
「あ、ああ…。」
「ベアトリーチェ様が勘違いして、魔法をかけるから、ストーカー被害に遭うんです!」
「なっ…!妾だけが悪いというのか!?大体そなたが最初に誤解を解いていればこんな事にはならなかったであろう!?」
「偉大なるベアトリーチェ様に、私が好きなのは譲治さまじゃありません!なんて、初対面で言えるわけないじゃないですか!」
「……愚かしい。やめようぞ。……はぁ…。」
「も、申し訳ありません…。」
「とにかくだ。…我慢せよ。」
「えっ!?…が、我慢ですか…?」
「そうするしかあるまい。」
「魔法でどうにか…。」
「譲治の想いを断ち切るのは、魔法でも難しかろう。…それにな、紗音。この先の未来で、そなたが譲治に惚れる奇跡があるやもしれん。」
「あ、ありませんよ、そんなの。」
「……わかった。では譲治の想いを断ち切る魔法を見つけたら報せよう。それで良いか?」
「……はい。」
「なんだ。納得のいかぬ顔だな。」
「め、滅相もありません!!…で、では…失礼しますね。」
紗音が去って行ったあと、ベアトは庭園に一人佇む。
「…おいおいおい。儀式の時の第二の晩候補だったのだぞ…。寄り添う二人にならぬではないか…。妾ともあろう者が、恋の種を間違えるとは…。」
がっくりと項垂れながら、ベアトは黄金の蝶となって、風と共に消えた。
取り返しのつかない、
(もう種は根付いてしまった。)
☆☆
サイトで更新できないので、ブログでプチSS。
紗音が本当に好きな相手は、皆さんの想像にお任せします。
アニメの紗音見てたら、譲治の事好きじゃないんじゃないか?と思って書いてみました。
もし本当に譲治がストーカーだったら、私ドン引きw