11/06::あの日の色に染まった金曜日

金曜日の夕方
今日も残業だ、月初だ、仕事が終わらないって
仲のよい先輩と、うだうだ言い合ってたら
唐突に明日お出掛けするから早めに切り上げて帰るって言うからさ
どこに行くんですか?て、聞くと

先輩の口から発せられたのは、あの子の地元で...
その地名を聞くなんて思ってもみなくて
一瞬、思考が停止したよね。笑

一ヶ月ほど前にあの子がくれたメールに、
いま地元に帰ってきてるって書かれてあったから
尚更、驚いた。

こうゆうのって重なるのかな、なんて思いながら。

ほんとは3連休
そこへ、ひとりで行こうとしてたんだ。


でも、もしも。
もしもね、、あの子に会ってしまったら...?
あの子のいまの姿を知らないから、
気づかないかもしれない。

けど...気づいてしまうかもしれない。
そうすると、向こうも私に気づくかもしれない...。
そんなことドラマじゃないから起こらないよ。
なんて絶対は言いきれなくて

そんなこと、あの子は望んでない。
もしもがあって、それで、あの子が困ったら...そう考えると、もうしばらく思い出の地を巡るのは置いておこうと決めた。


そんなことを考えていた矢先で。
行ったことある?って先輩に聞かれて
一度だけ、行ったことがあります。と答えた。

あの時は、ここに行って
あの名物を食べて、
ああ、あそこにも行ったな...
あれはこんな風になってて、あぁなってて
こんな名物もあるんですよ。って

思い出なっていたはずの記憶が
つい最近の出来事のように話せて

同時に、あの子の姿や横顔、表情、声、しぐさ
あの日の会話でさえ。
そんな鮮明に思い出せる?って自問したくなるほど
次から次に思い出して...

それも、そうか。
ずっと好きなままだからなぁ、あの子のこと。

記憶は思い出になっても
あの頃から何度も何度もあの日を頭の中で再生して
再生する間が空いても、また、再生してって...

そんな日々を過ごしてて
あの子からの連絡で、
近頃はほぼ毎日のように思い出してたからかな。

先輩に話しながら
どこかあの日にリンクしたみたいな
あの子に感じた心地よさに包まれたような
そんな感覚に陥ったんだよ。


週明け、きっと先輩はお土産を持ってくる。
お互いにどこか遊びに行ったらお土産を渡しながら
どんなだったか話をするのがお決まりだから。

あの子の地元のお土産を受け取って
先輩のお土産話を聞いて
帰宅してひとりの時間
もらったお土産を見つめながら
私はまた、あの子を想うんだろうな。

:0


:戻:




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