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様々に捏造入ってます。おかしいな、これ公式か?と感じたらそれです。
「はぁ…もう、やんなっちゃう」 足立は一人、アパートの自室で昼ドラを流しながらそう呟いた。 本日何と、久方ぶりの非番というやつで。普段なら喜ぶところだが、どうしてこうも重い空気なのかというと、今日は、自分の誕生日なのだ。 誕生日に仕事が休み、一見幸せそうな事案だが、それも、祝ってくれる人がいてこそのものではなかろうか。 当然足立にそのような人物がいるはずもなく、いっそ、仕事で忙しなくした方が気が紛れるというものだ。といっても、仕事といえども地味な聞き込みがメインで、最終的にはジュネスでサボり…時間潰し…まあ、そのようになるのだが。 「クソ…世の中…クソ…」 昼ドラは佳境のようだった。エンドロールが流れ始め、次回予告が終わった。昼飯にするかと立ち上がったところにインターホンが鳴った。 勧誘ならお断り…と思いながら覗き窓をそろりと確認すると、見覚えのある銀髪のマッシュヘアーが見えた。 いやいや、おかしいでしょ。 「足立さん。居留守ですか?」 「…」 「寒くて死んじゃいます。外、雪降ってますよ」 「………」 「足立さん、足立さん、」 「あーーーーーもう、わかったから!」 ガチャ、とドアを開けると、鼻を赤くしてとっても寒そうな上司の甥っ子、鳴上悠が立っていた。外、ホントに寒いみたいだね…とちょっと悪びれた様子で足立は悠を招き入れた。 「てか君さ、学校は?」 「2月ですから」 「ああ…」 高3の冬って自由登校とかだっけ、と考えながら足立は昼飯用の炒飯を作るために台所に向かった。悠が八十稲羽にやってきて、2年が経とうとしている。 「それもそうだけど、何しに来たの」 「足立さん、今日、誕生日って聞いて」 「…堂島さん?」 「はい」 もしかして、今日の非番って堂島さんが一枚かんでるとか?と勘繰りながらも昨日の残りの冷や飯に卵を溶き混ぜ、炒飯を作り進めた。 「で、その、」 「なぁに?」 「あの、」 「どうしたの?改まって」 出来上がった炒飯をテレビの前のちゃぶ台にドン、と出して、召し上がれ、と目配せをする。わ、おいしそう…と悠が目を輝かせると足立は少しだけ得意気な顔をした。 「これ…」 「え、え?悠くん、どうしちゃったの。どういう風の吹き回し?」 「足立さんに似合うかなと思って」 「………ありがとう…」 炒飯を食べて、少ししたら悠は帰っていった。 これを見つけた瞬間、足立の顔が浮かんだそうな。 いつも使っている赤いネクタイ、よく似合ってますから、と足立をまっすぐ見つめてそう言う上司の甥っ子を不思議な気持ちで見送って、足立はまた一人の部屋に戻った。 「君たち、考えが似通いすぎなんだけど…」 いつもつけているネクタイは、誰から貰ったものなのか、悠は知らなかった模様。似たもの親子(と呼んでいいものかはわからないが)だな…としみじみと感じた足立であった。 -------------------- プレゼントフォーユー -------------------- *** 足立さん誕生日おめでとうございます! 親子(?)から赤いネクタイもらう足立。いつもの赤いネクタイは堂島さんセレクトっぽいよねーっていうやつ。堂島さんも赤いネクタイしてるしさ。 |